コーヒーフェスで出会う、いまのスペシャルティコーヒー

コーヒーフェスで出会う、いまのスペシャルティコーヒー

コーヒーを楽しむ場所は、カフェや自宅だけではありません。近年は、複数のロースターやコーヒー店が集まるフェスやイベントが、各地で開かれています。気になる一杯を飲み、知らなかった店を知る。そんな体験は、夏の休日のお出かけにもぴったり。


この記事では、コーヒーフェスでできることや、国内で開かれている代表的なイベントをご紹介します。



コーヒーフェスが、いま注目される理由

コーヒーフェスは、さまざまなロースターやカフェが一つの会場に集まる催しです。普段の行動範囲では出会えない店のコーヒーを味わえることが、大きな魅力になります。



一軒のカフェを訪ねる楽しみもありますが、フェスでは会場を歩きながら、店ごとのメニューや香り、パッケージに目を向けられます。カウンター越しの短い会話から、焙煎する人が大切にしている味わい、豆の選び方や抽出への考え方に触れられる場面もあるでしょう。


その場で一杯を飲んだり、豆を買ったりするだけで終わらないことも、フェスならではです。「次はお店へ行ってみたい」「オンラインショップでも注文してみよう」と思える店に出会えば、作り手と飲み手の間にゆるやかな関係が生まれます。遠方のロースターであっても、イベントをきっかけに、その後もコーヒーを通じてつながっていけるのです。


また、公園や商業施設、街なかなど、開催場所もさまざまです。コーヒーを目的に出かけつつ、近くで食事や買い物、散策を楽しむ。そんな休日の過ごし方に組み込みやすいことも、コーヒーイベントの良さです。



フェスで楽しめる、コーヒー以外の体験

会場ではコーヒーのほかに、焼き菓子やフード、器具、カップなどに出会えることがあります。購入する予定がなくても、普段は触れない道具を見たり、コーヒーに合うお菓子を選んだりする時間も楽しみのひとつです。



イベントによっては、抽出や焙煎に触れるワークショップが開かれることもあります。たとえば2026年春のTOKYO COFFEE FESTIVALでは、焙煎体験などの企画が行われました。


参加方法や料金、定員は催しごとに異なるため、気になる企画は事前に公式情報を確認しましょう。



国内にもある、個性豊かなコーヒーイベント

コーヒーイベントといっても、規模や会場、楽しみ方は一つではありません。国内外のロースターが集まる都市型フェスもあれば、その土地の風景やテーマと結びついた地域の催しもあります。


行きやすい場所から選んでもよいですし、気になる店が出るイベントを目当てにしてもよいでしょう。大きな会場と小さな会場に優劣はなく、それぞれに違う出会いがあります。


ロースターが集まる都市型フェス

PR Times(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000101226.html)より引用
※画像は2025年の5月31日と6月1日の2日間にわたって開催された際のものです。


東京・青山で開かれる「TOKYO COFFEE FESTIVAL」は、都市型コーヒーフェスの代表例です。2026年春は5月2日から4日まで、国連大学中庭で3日間開催され、国内外のロースターが集まりました。入場無料で、買い物や街歩きの途中にも立ち寄りやすい形です。


このようなフェスでは、初めて知るロースターのブースも見つかります。豆を買う前に一杯を試したり、メニューの説明を読んだりしながら、自分が気になる店を探せるのが面白いところです。


遠方にあって普段は訪ねられない店とも、会場では直接言葉を交わせます。好みを伝えておすすめを聞いたり、焙煎や産地への思いを聞いたりすることが、次の注文や旅先での来店につながるかもしれません。一杯の試飲から始まる、長い付き合いもあります


TOKYO COFFEE FESTIVAL 公式サイト


地域のテーマと一緒に味わうコーヒー

PR Times(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000097.000076595.html)より引用
※画像は2025年4月18日、19日の2日間にわたって開催された際のものです。


「ジャパンコーヒーフェスティバル」は、地域を巡りながら開催されるイベントです。会場ごとにテーマを設け、その土地に合わせたコーヒーを味わうスタイルを特徴としています。


特徴は、コーヒーを提供すること自体を目的にせず、開催地の歴史や風土、文化と深く結び付けているところです。商店街、観光地、歴史ある建物などを会場に、参加者はコーヒーを片手に地域を歩き、その土地にある景色や人、物語に触れます。


同じ一杯でも、どこで、誰と、どのような時間に味わうかによって、印象は変わるものです。その場所の空気の中で味わうからこそ生まれる体験をつくり、地域の魅力をあらためて見つめるきっかけにしている点が、ジャパンコーヒーフェスティバルならではといえるでしょう。


2026年も京都、大阪、兵庫、島根などで開催され、秋以降には大阪・淀川区や三重・鳥羽での開催も案内されています。地域の商店街や観光地を歩きながら楽しめる回もあり、コーヒーをきっかけに土地の空気へ触れられる点が魅力です。


また、熊本や能登をはじめ、震災からの復興を目指す地域では、コーヒーイベントが人の集まる場をつくる役割も担っています。一杯の温かいコーヒーと香りが、慌ただしく緊張が続く日々のなかにひと息つく時間をもたらします。人が自然に立ち止まり、会話を交わすことで、地域のコミュニティに小さな賑わいが戻る……といったこともあるのです。


全国のロースターや参加者と連携してイベントを開くことは、現地を訪れる理由を生み出すことにもつながります。こうした、継続的に地域と関わる人を増やす取り組みは、「関係人口」の創出とも呼ばれます。コーヒーフェスは飲み比べを楽しむ場であると同時に、震災を忘れず、地域を応援し続けるための温かな接点にもなっているのです。


ジャパンコーヒーフェスティバル 公式サイト


展示会から、コーヒーの広がりに触れる

PR Times(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000139617.html)より引用
※画像は2025年の「SCAJ2025」のものです。


「SCAJ」は、スペシャルティコーヒーに関わる大規模な展示会です。2026年の「CAJ2026」は10月14日から17日まで、東京ビッグサイト南展示棟で開催されます。


ロースターや生産地、器具メーカーなどが集まり、競技会も行われる予定です。コーヒーを一杯飲む時間の背景には、豆を育てる人、運ぶ人、焙煎する人、抽出する人がいること。その広がりに触れられるのも、こうしたイベントならではでしょう。


SCAJ World Specialty Coffee 公式サイト



初めてのコーヒーフェスを気軽に楽しむコツ

初めての会場では、店の多さに少し迷うかもしれません。ただ、すべてのブースを回る必要はありません。まずは普段好む飲み方や、気になる香りの説明、店頭の雰囲気を手がかりに、一杯を選べば十分です。



迷ったときは、「苦みが穏やかなものが好き」「香りを楽しみたい」など、普段の好みをそのまま伝えてみてください。詳しい言葉を知らなくても、店の人との会話が選ぶ手がかりになります。

 

気になったロースターがあれば、店名やオンラインショップの情報も控えておくとよいでしょう。イベントの後にもコーヒーを注文したり、旅行の際に店を訪ねたりする楽しみが生まれます。

 

暑い時期の屋外イベントでは、予定を詰め込みすぎないことも大切です。開催時間、雨天時の対応、支払い方法、予約が必要な企画の有無を確認し、水分補給と休憩を挟みながら楽しみましょう。



フェスで見つけた一杯を、日常へ持ち帰る

フェスで気になったコーヒーは、その場で飲んで終わりではありません。店名や豆の名前、好きだと感じた香りなどをスマートフォンに残しておくと、あとで店を訪ねたり、オンラインショップを見たりするときの手がかりになります。



たとえば、明るい香りに惹かれたのか、しっかりした苦みに落ち着いたのか。そうした小さな発見があって、それを覚えておくことができれば、次にコーヒーを選ぶ時間も少し変わってきます。いつもの一杯を大切にしながら、ときどき新しい味を試す。その繰り返しで、好みはゆっくり育っていくものです。

 

コーヒーフェスは、単なるお祭りや飲み比べの場ではありません。遠方の作り手とつながり、土地の魅力に触れ、ときには地域を応援するきっかけにもなる場です。

 

LEOでも、好み別コースの定期便を通じて、味わいの傾向からコーヒーを選ぶ方法を提案しています。近くでイベントを見つけたら、まずは気になる一杯から試してみてください。フェスでの出会いが、日常のコーヒー時間を少し広げてくれるはずです。




■ライター:もも

カフェ店長としての経験を活かし、コーヒーライターとして、10年以上活躍。現在もカフェ業界で働く夫とともにトレンドを追いながら、日々コーヒー談義を重ねている。


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