夏にコーヒーはNG?カフェインと上手につきあう「脱水」の本当の話
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夏になると、暑さ対策のために水分補給を意識する機会が増えますよね。「とりあえずアイスコーヒー」になって、思いのほかたくさんのコーヒーを飲むことになってしまっていませんか?
コーヒーにはカフェインが含まれています。「コーヒーを飲むと脱水になりやすい」という話を耳にしたこともあるのでは。となると、大好きなコーヒーを控えるべきか迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
実は、コーヒーとの付き合い方を少し整えるだけで、夏も冬と同じように、あるいはそれ以上に豊かなコーヒータイムを楽しむことができます。
今回は、科学的な視点と、夏ならではの具体的な「おいしい淹れ方」の両面から、心地よい付き合い方を探っていきましょう。
カフェイン=即・脱水ではありません。目安を知ると安心
「コーヒーを飲むと脱水になる」というお話の根拠としてよく挙げられるのが、カフェインの利尿作用です。
確かにカフェインには尿の排出を促す作用がありますが、近年の研究では、
- 日常的にコーヒーを飲んでいる人にとっては、利尿作用は穏やかになる可能性がある
- コーヒーに含まれる水分とのバランスを考えた場合、コーヒーを飲むこと自体が直ちに脱水症状に直結するわけではない
といったように考えられています。
つまり、コーヒーも水分補給の一部として捉えて良いのです。
大切なのは「飲み方」のバランスです。
健康な成人におけるカフェイン摂取の目安は、欧州食品安全機関(EFSA)などの基準で1日あたり約400mg、ドリップコーヒーならおおよそ3〜4杯程度とされています。この範囲内であれば、過度に脱水を心配する必要はありません。
例えば、
- 朝に1杯・仕事中に1〜2杯・夕方はデカフェに変更しておく
- 1杯あたりのカフェイン量は豆や抽出によって変わりますが、上限を「3〜4杯くらい」と決める
といったように、自分なりの「1日のルール」をあらかじめ決めておくと、日常生活では過剰になりにくくなります。
逆に、大きな麦茶ピッチャーのような入れ物に作り置きしたり、リットルサイズのリキッドコーヒーを冷蔵庫を開けて目についたら飲む……というのは避けておいたほうがよさそうです。
途中でどれくらい飲んだかがわかりにくいので、知らないうちにカフェイン量が増えてしまったりすることがあります。逆に、「自分でどれくらい飲んだのか把握できる範囲で楽しむ」という意識が持てていれば、コーヒーを水分補給の一部として取り入れても、十分安全だと考えられるでしょう。
冷たい飲み物はゴクゴク飲みやすいので、気づけばカフェイン量も増えやすくなるもの。また、コーヒー以外の飲み物──たとえば緑茶や紅茶、一部の清涼飲料水やエナジードリンクなどにもカフェインは含まれています。
「コーヒーの杯数」だけでなく、「1日の総カフェイン量」で考えてみると、自分のペースを客観的に把握しやすくなります。
体質や年齢によって「ちょうどいい量」は変わります
とはいえ、カフェインの「ちょうどいい量」は、体質や年齢、体重などによっても変わります。同じ量を飲んでも、「よく眠れる人」と「眠れなくなってしまう人」がいるのは、そのためです。
たとえば、同じ1日400mgのカフェインでも、体重50kgの人と80kgの人では、「体重1kgあたり」で見たときの負担が変わってきます。体重が軽い人のほうが、同じ量でも「効きやすく」なる傾向があるわけです。
また、年齢が上がると代謝がゆるやかになり、「昔は平気だった量でも、最近は動悸がしやすい」「夜の一杯で寝つきが悪くなった気がする」と感じる人もいます。
体重が軽い人や高齢の人、もともとカフェインに敏感だと感じている人は、「一般的な目安より少なめ」を自分の上限として決めておくと安心です。
コーヒーを飲んだあとの心拍数や寝つき、眠りの深さなど、自分のからだの反応を観察しながら、「ここまでなら心地よい」というラインを探してみましょう。
もし、「もっとたくさん飲みたいけれどカフェイン量は気になる」「夕方以降もコーヒーを楽しみたい」という場合は、カフェインを抑えたコーヒーを取り入れることで、摂取量を上手にコントロールできます。
自分に合ったカフェインとの付き合い方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
コーヒーは1日何杯まで?朝・仕事中・夜のベストな飲むタイミングとデカフェ活用術
炎天下や運動後は、「まず水分補給」から
もちろん、炎天下での運動中や、子どもと公園で走り回ったあと、ランニングやスポーツのあとなど、汗をたくさんかいた場面では、まず水や経口補水液での水分補給を優先するようにしましょう。
コーヒーはあくまで「喉を潤すメインの水分」ではなく、「心を整える楽しみの1杯」として位置づけておくと、あまり「飲みたいのに飲めない!」というストレスを感じることなく体調管理もしやすくなるでしょう。
夏だからこそ。コーヒーを「心地よく」楽しむためのルール
コーヒーを控えるのではなく、季節に合わせて「楽しみ方を変える」のが、夏もコーヒーと仲良く過ごす一番のコツです。ここまで読んで「アイスはよくないのかな?」と思ってしまったかもしれませんが、やはりアイスはおすすめ。量さえ気をつければホットに限定しなくてもまったく問題ありません。
アイスコーヒーや水出しコーヒーにすることで、「温度による風味の変化」を楽しみましょう。
「急冷式」で豆の個性を味わう
ホットで楽しむ豆を、そのままアイスコーヒーにするのも贅沢な楽しみ方です。ポイントは「薄めないこと」。氷を「コーヒーを薄める邪魔なもの」ではなく、「抽出を完成させる水分の一部」と考えてみてください。いつもより少ないお湯で濃く抽出し、氷の入ったグラスに注ぐことで、豆本来の香りや甘みがしっかりと閉じ込められた一杯になります。
詳しくはこちらの記事をご一読ください。
薄くない急冷式アイスコーヒーの淹れ方。スペシャルティコーヒーで夏を楽しむ
「水出しコーヒー」で穏やかな時間を
暑い日には、熱を使わずに水でじっくりと時間をかけて抽出する「水出しコーヒー(コールドブリュー)」もぴったりです。お湯で淹れるときよりも苦味や渋味が抑えられ、豆が持つやわらかな甘みや、果実のような風味を引き出しやすくなります。
寝る前にセットしておけば、翌朝にはきりりと冷えたすっきりとした味わいの1杯が待っている。そんな穏やかなルーティンも、夏ならではの楽しみではないでしょうか。
水出しコーヒーについてはこちらの記事を参考にしましょう。
水出しコーヒーとは?スペシャルティコーヒーで楽しむ味の特徴と作り方
怖がり過ぎずに夏のコーヒーを楽しもう
LEO SPECIALTY COFFEEの豆は、ハンドピックによって欠点豆を丁寧に取り除いているため、雑味が少なく、アイスや水出しにしてもそのコーヒーらしい余韻が長く続きます。季節を問わず、その時々の気温や気分に合わせて、ぜひお気に入りの豆をいろいろな形で試してみてください。
夏も冬と同じように、コーヒーは日々の暮らしを整えてくれる大切なパートナー。
「脱水になるかも」と我慢するのではなく、自分の体調に耳を傾けながら、適度な量と温度、そしてその日の気分に合った淹れ方で、この季節だけのおいしさを味わってくださいね。

■ライター:もも
カフェ店長としての経験を活かし、コーヒーライターとして、10年以上活躍。現在もカフェ業界で働く夫とともにトレンドを追いながら、日々コーヒー談義を重ねている。