LEOのコーヒーが最高においしい理由|ハンドピックと生豆のクオリティ
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LEOのコーヒーが最高においしい理由のひとつに、「ハンドピック(欠点豆を取り除く考え方)」した豆にこだわっている、ということがあります。
コーヒーのおいしさは焙煎の設計や抽出レシピ、鮮度管理など、いくつもの要素が重なり合ってできるものですが、なかでもハンドピックは重要な役割を果たしていると考えるからです。
この記事では、その中でもとくに重要な「ハンドピック(欠点豆を取り除く考え方)」について、少し踏み込んでお話ししていきます。
まずはクオリティの高い生豆から、という前提
ハンドピックの話に入る前に、よいコーヒーを選ぶ際の前提条件と言える「生豆のクオリティ」について触れておきます。生豆の状態が整っているほど、焙煎や抽出で引き出せる香りや甘さの幅も広がって、結果的にそのコーヒーの印象がぐっとよくなります。

よいコーヒーを選ぶうえで、まず意識したいのが生豆の状態です。ざっくりとした工程のイメージは、
- よい生豆を選ぶ
- ハンドピックする(焙煎前のプレピック)
- 焙煎する
- 仕上げのハンドピックをする(焙煎後のアフターピック)
というステップで一杯ができあがる、という流れになります。
コーヒーは、焙煎される前の段階では「生豆」と呼ばれる、薄い緑色をした状態です。この生豆の時点で、すでにそれぞれ「グレード(等級)」や状態の違いがあり、それがあとからカップの印象にも影響してきます。
生産国ごとに細かな基準は異なりますが、おおまかには「一定量のサンプルの中にどれくらい欠点豆が含まれているか」「豆の大きさがどれくらい揃っているか」といった点が、クオリティを判断する目安になります。グレードが高い豆ほど、サンプル中に許される欠点豆の数が少なく、サイズもある程度そろっているように管理されています。
なお、生豆のグレードはあくまで「欠点豆の数」や「サイズの揃い方」に基づく評価であり、スペシャルティかどうかを決める風味評価や透明性、生産者の品質管理といった観点とは別の軸で語られることが多いです。
ここでの選別が丁寧であればあるほど、焙煎や抽出の前からきれいな土台が整っている、というイメージです。LEOとしても、「スペシャルティかどうか」というラベルだけではなく、生豆の状態そのものを見ながら仕入れを行っています。
「ハンドピック」とは?──味を決める大切な要素
ここから、具体的に「ハンドピック」の話に入っていきます。ハンドピックは、焙煎所だけで行われる特別な作業というより、収穫から輸出、焙煎後まで続いていく「選別の流れ」の中の一部です。

ハンドピックとは、コーヒー豆の中から「これは入っていてほしくない」という豆や異物を、人の目と手で一粒ずつ取り除いていく作業のことです。色が極端に違う豆、カビた跡がある豆、虫食いの穴があいている豆、大きく割れている豆などを見つけて抜いていきます。
ただ、これは焙煎所だけで突然はじまる作業ではありません。コーヒーは、もともと赤い実(コーヒーチェリー)の状態で木になっています。その収穫の段階で、完熟した実だけを選んで摘み取ることも、ある意味で最初のハンドピックです。
収穫後も、果肉を取り除き、乾燥させ、脱穀したのち、輸出前の段階で機械や人の目による選別が何度も行われます。それでもわずかに残る「混ざっていてほしくないもの」を、各焙煎所が自分たちの基準でさらに取り除いていく──そんなイメージを持ってもらえると、ハンドピックの役割が少し見えやすくなるかもしれません。
「欠点豆」が一杯のコーヒーに与える影響
では、その「混ざっていてほしくないもの」がカップの中でどんな影響を与えるのかを、もう少しだけ具体的に見てみます。

理由のひとつは、「欠点豆」と呼ばれる豆が、コーヒーの味が持つ印象を変えてしまうことがあるからです。
欠点豆とは、本来の品質基準から外れてしまった豆の総称です。たとえば、次のようなものがあります。
- カビ豆:乾燥や保管の過程でカビが生えてしまった豆や、その影響を受けたと考えられるダメージ豆
- 虫食い豆:虫に内部を食べられてスカスカになっている豆
- 未成熟豆:十分に熟す前に収穫され、白っぽく痩せたように見える豆
- 割れ・欠けが大きい豆:焙煎時に熱のかかり方が極端になりやすい豆
こうした豆は、焙煎して粉にしてしまうと見分けがつきにくくなりますが、風味にははっきりと影響を与えることがあります。
カビ豆や極端な過発酵豆は、独特のにおいと濁った風味を、虫食い豆や未成熟豆は、青臭さや渋み、ざらついた口当たりを生むことが多いとされています。
「たった一粒で本当に変わるの?」と思うかもしれませんが、容量の小さい一杯のカップの中では、その一粒の存在感は意外と大きく、「なんとなく違和感のあるあと味」として現れてしまうことがあります。だからこそ、コーヒーの世界では昔から「欠点豆をなるべく減らすこと」が、基本中の基本として大切にされてきました。
グレードが高い生豆は、最初からきれい
ここで、生豆の「グレード」とハンドピックとの関係を、もう少し整理しておきます。

グレードが高い=欠点が「少ない」
コーヒーの生産国ごとに細かなルールは違いますが、多くの場合、一定量のサンプルの中にどれだけ欠点豆が含まれているか、豆の大きさがどれくらい揃っているか、高さ(標高)や欠点の種類などをもとに、等級が決められています。
一般的に、グレードが高い生豆ほど、サンプルあたりに許される欠点豆の数は少なく設定されています。反対に、グレードが低くなるほど、欠点豆の混入率は高くなり、見た目にも大きさや色がばらついたロットが増えていきます。
ただし、「グレードが高い=欠点豆がまったくゼロ」という意味ではありません。統計的には混入が少ない、というイメージに近く、ごくわずかにカビ豆や虫食い豆などが残ってしまう可能性はどうしてもあります。
ここで少しだけ整理しておきたいのが、「グレード」と「スペシャルティ」の違いです。グレードは主に欠点豆の数やサイズの揃い方など「物理的な状態」を示す指標です。一方、スペシャルティかどうかは風味評価やクリーンさ、生産者の品質管理など、より総合的な観点から評価されます。
プレピックとアフターピックの二段構え
LEOが大事にしているのは、この最初の段階でどれだけきれいにしておけるか、という部分です。
つまり、「欠点豆がたくさん混じったロットを、あとからハンドピックでなんとかする」のではなく、そもそも欠点豆の混ざりにくいグレードの生豆を選び抜く、という考え方をしています。そのうえで、「わずかに残るかもしれない欠点」を自分たちの目で確認していくのが、ハンドピックの役割です。
また、欠点豆を減らす作業は、生豆の段階だけで終わるわけではありません。焙煎を行ったあとで、色づきが明らかに悪い豆や、他と比べて極端に明るいまま残ってしまった豆(いわゆる未成熟豆が焙煎で浮き上がったものなど)を取り除く仕上げのハンドピック(アフターピック)も行われることがあります。
こうした「焙煎前のプレピック」と「焙煎後のアフターピック」の二段構えがあることで、最終的な一杯の印象がよりはっきりしやすくなります。
おいしさを感じられる一杯の、見えない裏側
ここまでの話を踏まえながら、味や香りに余計なにごりがない一杯=「クリーンカップ」についてお話します。

スペシャルティコーヒーの世界では、「フルーティー」「華やか」といったポジティブな風味に注目が集まりがちですが、同じくらい大切にされているのが「クリーンカップ(Clean Cup)であること」です。
クリーンカップとは、余計な雑味やにごりが少なく、豆本来の特徴だけがすっと伝わってくる状態のこと。コーヒーの個性を邪魔したり、コーヒー以外の要素で味が不安定になってしまっていないことが重要視された定義です。
このクリーンさは、抽出テクニックだけで後から足せるものではありません。焙煎の前に、生豆のグレードや状態がきれいであること。欠点豆が少なく、サイズや水分量が揃っていること。そうした素材側の条件が整っているからこそ、焙煎や抽出の工夫が素直にカップに反映されます。
LEOが生豆のクオリティにこだわるのは、「スペシャルティだから高級です」と言いたいからではなく、「毎日の一杯を、なるべくストレスなく、するっと楽しめる状態で届けたい」というところにあります。
次に豆を手に取るとき、ちょっとだけ見てみてほしいこと
豆を買ったとき、袋を開けたら、ほんの少しだけ豆の見た目を気にしてみてください。
- 大きさはある程度揃っているか
- 「一粒だけ炭のように真っ黒な豆(焦げ豆)」や「明らかに一粒だけ色が浮いている豆」が混ざっていないか
- 大きく割れたり、虫食いのような穴があったりする豆が目立たないか
これらを少しチェックしてみるだけでも、そのコーヒーがどんなふうに選ばれてここまで来たのか、少し想像がふくらむかもしれません。
LEOとしては、これからもさまざまな産地やロットを試しながら、グレードの高い生豆を選び、そこからの焙煎と鮮度管理で雑味に邪魔されず、豆本来の香りと甘さが研ぎ澄まされた一杯を目指しています。
次にLEOのコーヒーを飲むとき、「なんでこんなにおいしいんだろう?」と、生豆やハンドピックのことを少し思い出してもらえたら嬉しいです。
■ライター:もも

カフェ店長としての経験を活かし、コーヒーライターとして、10年以上活躍。現在もカフェ業界で働く夫とともにトレンドを追いながら、日々コーヒー談義を重ねている。