「いつものマグカップだけ」卒業。100均のグラスでも劇的に変わる? コーヒーの香りを引き出す器の魔法

「いつものマグカップだけ」卒業。100均のグラスでも劇的に変わる? コーヒーの香りを引き出す器の魔法

お気に入りの豆を手に入れて、丁寧に淹れた一杯。
そのコーヒーを、あなたは何に注いで飲んでいますか?


「それはもちろんマグカップやティーカップに決まっている」となると思いますが……。


もし「コーヒーの個性をもう少し詳しく知りたい」と感じているなら、一度「器」を変えてみるのが近道かもしれません。

 

もちろん、使い慣れた厚手のマグカップや、お気に入りのティーカップは日常の安心感を与えてくれる大切な道具ですから、「完全に切り替えたほうがいい!!」というわけではないことはご承知くださいね。

 

実は、器の形は「コーヒーの香りや口当たりの印象を驚くほど変える」と言われているほど重要なものなのです。


今回は、特別な道具を新しく買い足さなくても、家にある「グラス」を使って、いつものコーヒーの印象をがらりと変える方法についてお話しします。

 

 

器が変わると「味」ではなく「印象」が変わる

当然ですが、コーヒーを注ぐ器を変えたからといって、コーヒーそのものの成分が変わるわけではありません。とはいえ、器の形状によって、香りの立ち方や、口の中に入ってくる液体の量・スピード、そして舌に触れる場所が微妙に変化すると考えられています。

 

 

たとえば、こんな違いの傾向があります。

 

口が広く浅いカップ

……液体の温度が下がりやすく、コーヒーが持つ酸味を感じやすくなると言われる

口が狭く縦長の器

……香りが逃げにくく、飲むときに鼻に近づく角度がつきやすいため、鼻腔にフレーバーが届きやすくなる


こんなふうに、器の特性を少し意識してみるだけで、豆が持つポテンシャルをより鮮明に感じられるようになるはずです。

 

 

ワイングラスで体験する「香りの輪郭」

スペシャルティコーヒーの醍醐味は、フルーツや花、ナッツなどに例えられる豊かな「香り」にあります。 こうした香りや味わいは、生産地での栽培管理や精製、欠点豆の少なさ、トレーサビリティなど、ていねいな品質管理が前提にあるとされています。


その個性を、日常の中でいちばん分かりやすく引き出しやすい器のひとつが、意外にも「ワイングラス」です。



ワイングラスの特徴は、膨らんだ胴の部分に香りがたまり、すぼまった口元からその香りが凝縮された形で鼻に届きやすい点にあります。

 

実際にワイングラスでコーヒーを飲んでみると、マグカップでは「コーヒーらしい良い香り」とひと括りに感じていたものが、ベリーのような甘酸っぱさや、キャラメルのような香ばしさといった、より細かな「輪郭」として立ち上がってくるように感じる人も多いはずです。


また、ワイングラスは薄造りなものが多く、唇に触れる面積が少なくなります。そのおかげで、液体が滑らかに口の中へ流れ込み、コーヒーの質感(ボディ感)を繊細に捉えられると言われます。 浅煎りの華やかな豆などは、この飲み方に変えるだけで印象が劇的に変わると感じる人もいるでしょう。


 

100均の耐熱グラスや薄いグラスから始める

「となると、専用の高級グラスを用意しなければならないのでは?」となるかもしれませんが、そんなことはありません。まずは、身近なところから気楽に試してみてください。それでもきちんと違いはわかりますので。



たとえば、100円ショップなどで手に入るシンプルな耐熱ガラスのコップや、薄い飲み口のグラスでもOK。陶器のマグカップに比べて、ガラス製の器は「液体の色」が視覚的に入ってくるため、コーヒーの透明感や焙煎度の違いを楽しみやすくなるというメリットもあります。


なお、LEOの定期便で届く豆は、焙煎後1週間以内の鮮度の高い状態で発送しています。 焙煎後の『飲み頃(エイジング)』を迎えた豆は、お湯を注いだ瞬間に本来のポテンシャルが解放され、豊かな香りを放つものです。その香りを逃さず受け止めるうえでも、器の形は重要なポイントになります。

 

まずは「家にある、いつもより少し口のすぼまったグラス」や「少し薄手のグラス」に注いでみる。そこにLEOの浅煎りコースのような、フルーティなスペシャルティコーヒーを合わせてみると、香りのニュアンスの違いをより感じやすくなるはずです。

 

それだけで、いつものコーヒータイムが、少しだけ丁寧で、「なんだか専門的&実験的なわくわくした時間」に変わっていきます。



気分や豆に合わせて「着替える」楽しさ

器選びに「これが正解」というルールはありません。その日の気分や、飲んでいるコーヒーの特性に合わせて使い分けてみるのが、いちばん自然。長く、いろいろと続けやすい楽しみ方です。それに、機能性も大切です。


 

たとえば……

 

朝の忙しい時間や、デスクワーク中

➡温度が下がりにくく安定感のある厚手のマグカップ。


週末のゆったりとした時間

➡香りを存分に楽しむためのワイングラスや薄手グラス。

 

ミルクをたっぷり入れるとき

➡重厚なコクを支えてくれる陶器のカップ。

 

という感じです。


こうした器の使い分けは、コーヒーの楽しみ方を「時間」「気分」「豆の個性」といったいくつものテーマで楽しめるようにしてくれます。

 

本当にいろいろなスタイルがあるコーヒーの世界。LEOが大切にしているのは、その中にある特定のスタイルだけを強制することではありません。スペシャルティコーヒーをメインテーマにしながらも、皆さんが自分のライフスタイルに合った形で、最も心地よい一杯に出会えることを応援したいと考えています。



次の休日は、グラスをひとつ選んでみてください

もし棚の奥に、最近使っていないワイングラスや、少し薄手の冷茶グラスなどが眠っていたら、次のコーヒータイムにぜひ取り出してみてください。



同じ豆、同じ淹れ方であっても、器を変えるだけで「こんな香りが隠れていたのか」という発見があるかもしれません。器を選ぶという行為は、単なる作業ではなく、自分の感覚を少しだけ研ぎ澄ませる、小さな実験のようなものです。


もちろん、「なんとなく気分を変えたい」、そのためだけに……というのでもいいのでは。

 

コーヒー豆の一粒一粒が持つ個性を、器という「魔法」のフィルターを通して、あなたらしいペースで紐解いてみてください


ほんの少し視点を変えるだけで、いつもの一杯が、今までよりも鮮やかに感じられるようになるはずです。

 

 

■ライター:もも

カフェ店長としての経験を活かし、コーヒーライターとして、10年以上活躍。現在もカフェ業界で働く夫とともにトレンドを追いながら、日々コーヒー談義を重ねている。

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